弁膜症

僧帽弁狭窄に伴い左房から左室への流入が障害され、左房圧、肺静脈圧の上昇肺高血圧をきたした状態。


本症の原因のほとんどがリウマチ熱であり、きわめてまれに悪性カルチノイド全身性エリテマトーデス関節リウマチHunter-Hurley症候群Fabry病Whipple症候群の合併症として生じる。




臨床症状
   
   初発:労作時呼吸困難・動悸・息切れ
   進行:安静時でも呼吸困難・咳や喀血・胸痛











確定診

@心エコー検査にて   


A新カテーテル検査にて



肺動脈弁疾患(約1%)

三尖弁疾患(約10%)

大動脈弁疾患(約40%)

僧帽弁疾患(約85%)

大動脈弁の異常や大動脈基部・弁輪部の拡大をきたす種々の病変により、弁の閉鎖不全
をきたし、収縮期に左室から大動脈に駆出された血液の一部が、拡張期に大動脈から左室
に逆流を生じる疾患。



臨床症状

   @呼吸困難(肺うっ血)、動悸
     狭心症(冠循環低下)
     大脈、速脈、爪床部の毛細血管拍動(Quincke徴候)

    A聴診:第3肋間胸骨左縁で、拡張期灌水用雑音
     Austin Flint雑音が聴かれる

    B胸部X線写真・心電図:左室肥大がみられる。



確定診断



大動脈弁閉鎖不全症(AR)

種々の原因による大動脈弁口面積の減少の狭小化により、左室から大動脈への駆出抵抗が
増大した状態。



臨床症状


   @息切れ狭心痛                           <左心不全症状>
     失神症状遅脈・小脈                       <心拍出量低下>
 
   A聴診で、UA減弱とU音の奇異性分裂              <狭窄部位駆出遅延>
     第2肋間胸骨右縁に頸部放散を伴う収縮期駆出雑音が聴かれる。



確定診断

大動脈弁狭窄症(AS)

カラードップラー心エコー法

僧帽弁閉鎖期である心収縮期に左室から左房への逆流がみられる病態で、弁尖、弁葉
そのものの異常
、または弁周囲構造物で僧帽弁機構の構成要素である弁輪、腱索、乳頭筋
乳頭筋の左室付着部の形態的・機能的異常
により、急性、または慢性に生じる。



臨床症状
    
    労作時呼吸困難、発作性夜間呼吸困難、起坐呼吸           <左心不全症状>
    肝腫大、下腿浮腫                               <右心不全症状>
    動悸                                       <心拍出量低下のため>

    聴診でT音低下V音(+)、心尖部で全収縮期逆流性雑音が聴かれる。

    心電図で、心房細動(Af)、左室が肥大、左房負荷(同調律の場合)がみられる。

    胸部X線写真で、左室・左房拡大所見がみられる。



確定診断

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁狭窄症

心臓弁膜症の種類と発症頻度

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